前編では外箱、中編では説明書の数字についてレポートしました。
3回目の後編となる今回は、部品・ステッカー・小袋、についてレポートします。
レゴ社がレゴ部品の1つひとつを、しっかりと管理されている片鱗が見えてきました。
結論
・部品はデザイン番号を付与し、部品そのものに記している。
・ステッカーは、部品と同じように番号を付与し管理している。
・部品を梱包している小袋に、QRコードが記してある。
目次
1)レゴ部品 ”48989 3-06”
レゴの部品そのものにも番号が記載されます。
一番観察しやすい部品は、冒頭のところで示した写真のものになります。
まず前5桁についてです。
この5桁はデザイン番号です。
デザイン名称の英語表記は”Beam 3 Module W/ 4 Snap”です。
この部品のアイテム番号(部品番号)は7桁の”4225033”です。
この7桁番号は、前回中編の説明書のところでレポートした通り、説明書の最終ページに記載してあります。
ところで、なぜ部品にアイテム番号でなくデザイン番号が記されるのでしょうか?
まず、アイテム番号とデザイン番号の違いですが、
部品の形状と色の両方入ったの識別が、アイテム番号です。
部品の形状だけの識別がデザイン番号で、この場合色が異なっていても同じ番号になります。
先ほどの疑問に戻ると、
部品に記す番号は、金型キャビティに直接彫りこまれ、それが部品に反転、形成されます。
異なる色の部品を製造する際であっても、金型は同一のものを使用し、
色の設定は、流し込む原材料となる樹脂ビーズに最初から着色されて行っている、と思われます。
色別に金型が存在すると、金型の数が膨大となり管理が大変になります。
また金型の費用も増加し、レゴの価格が飛躍的に高額になると思われます。
それでは一般の方々が経済的に非常に購入が難しくなります。
別の視点では、着色材料による特性差異(特に熱膨張差異)の影響も微小である、と考えられます。
次に、”48989 3-06”の後ろ3桁についてです。
これはデザイン番号48989の金型の3番目の製作の金型のキャビティ番号6を示していると思われます。
レゴ部品の金型は、1つの金型で同じ部品を複数個の部品を成形できる構造をしています。
その複数個1つ1つの成形する空間(部屋)をキャビティと言います。
なぜ、部品1つひとつに金型のキャビティ情報を記すのでしょうか?
金型を使った成形工程では、できあがった成形品を検査して、製品の品質管理をしています。
そのために、製品が、どの金型キャビティで作られたものか、すぐにわかるように印をつけます。
検査した部品が悪かった場合、どのキャビティかすぐにわかるので、正確で素早い対応ができます。
最近はやりのデジタルトランスフォーメーション(DX)と言われる革新的なしくみですが、
このような成形工程の1つひとつの部品情報も大きな使命を帯びています。
金型のところは、奥が深いので、機会を作ってレポートしたいと思います。
2)ステッカー ”65481/6282035”
これは”デザイン番号/アイテム番号”を示しています。
考え方については、上述の部品の項目でレポートしたことがそのまま適応されます。
このステッカーについて、現在、デザインが同じで、配色違いが存在しないので、
デザイン番号が1つで、アイテム番号も1つしか存在しません。
将来同じデザインで、違う配色、例えば、”CLAAS”の赤い字が、青くなったら
前の5桁のデザイン番号は、そのまま”65481”で、後ろの7桁が今回とは異なる数字が並びます。
3)小分け透明袋 ”QRコード”
数字ではありませんが、識別という意味で、取り上げました。
QRコードの内容は、”6201540”です。
推測ですが、7桁の番号なので、アイテム番号と思われます。
このセットには2つの小袋に部品が分けられていますが、
大きいほうの小袋のみ、QRコードがあります。
小さいほうには、アイテム番号のQRコードの表示が無い、
というのはちょっと説明がつきにくいですね。
機会があれば、他のセットを調べてみたいと思います。
まとめ
・レゴ社は成形金型が重要なことを認識し、部品に識別番号を付与し、品質管理をしている。
・ステッカーも部品と同じ考え方で、アイテム番号とデザイン番号の2つを付与している。
・部品を梱包している小袋は、一部については、QRコードにて管理している。
感想
レゴの魅力は、
1)自由な造形組立、2)カラフルな色使い、3)芸術作品のトレース
にあると思っていますが、これらの実現を支えるために、
レゴの部品1つひとつの 品質管理 をしっかりとやっている
ことがよくわかりました。
レゴってすごいですね。、