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LEGOレゴ21017帝国ホテルのレビュー番外編

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当初、帝国ホテルのレビューは前編と後編の2つで完成の予定でしたが、
組立をしている過程で、試したことや気づいたことがあります。
それを番外編として紹介したいと思います。

 

目次

 

1、構造の可視化モデル

 このセットは、様々な工夫を施された部分がたくさんあります。
しかし、壁や屋根それから軒などを組み付けると、次第にその大切なところが隠れてしまいます。
特に建物内側は、最後には見えなくなってしまいます。
それは非常に残念で、このセット最大の弱点だと思います。
だったら、内側が見えるようにしてみよう。
幸い、このセットは左右対象なので、中央から正面右側半分を正規組立として残し
左側半分は、屋根や壁を除去し、内部を見せるようにしてみます。
こうすることで、完成後のインテリアとしても、いかに緻密に製作されているか、一目瞭然にわかります。

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屋根を外してよくわかることは、格子窓の造りがたくさんの細かい部品で構成されていることです。
このアーキテクチャーシリーズを知らない方は、『これ、レゴ?』と驚くことでしょう。
窓両側の柱部分も、丸と四角の交互デザインの柱がしっかりと見えます。

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玄関まわりは、奥まったところで暗くなっていて非常に見にくいところですが、
光を取り込んで明るくすると、きちんと作り込りこんでいることがよくわかります。

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建物内部に目を移すと、
建物側面の窓と1F壁の色調がいい感じです。
1F壁の白・黄・グレーの3色のデザインは、完成後は見ることができません。

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正面側の透明部品の窓から漏れてくる光も、素晴らしいです。

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2、豪華説明書

 通常、このセット価格帯の説明書でも、廉価仕様のホッチキス止め中綴じ(背が無い雑誌スタイル)、A4サイズが妥当なところでしょう。
しかしこのセットは、説明書に高級感を出すために、やや厚い紙を用いて、耐久性を考慮した無線綴じ(本の背をノリで固めて綴じる)としています。

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更にこの説明書のすごいところは、印刷の解像度です。
説明書に実際の建築物の設計図の一部が掲載されています。
WEBサイトのpdfファイルでは、解像度が悪くて、拡大すると製図の線が潰れます。
しかし豪華本の説明書では、拡大鏡を使うと、方眼部分など製図の線がしっかり確認できます。
さすがに、寸法表記や、コメント表記(英字?)は十分に確認できませんが、
ルーペを使うと、細かいところが気持ちよく見えます。(私は8倍のルーペを使いました)
扉とその開閉方向など、建築図面がわかる方には、思わず笑みがこぼれる代物かと思います。
このモデルで建築の面白さを味わいたいなら、豪華本の入手も必須かもしれないです。


3、同一部品の微妙な形状違い

 組立を進めると、部品接合の角部に、隙間があったり無かったりすることに気づきました。
観察すると、隙間の原因は、ある特定部品で角の部分に極わずかに溝を掘ってあることだとわかりました。

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隙間があるものは、そこが目だち、見た目が悪くなる印象です。
しかし、分解する時は、隙間がある方が非常に楽でした。(爪をひっかけることができる)

見た目は同じ部品と思われたのに、微妙に形状がことなることが気になったので、
一般公開されている情報を調べてみました。
この特定部品の部品の名称は、”Plate 1X2 W. 1 Knob”(プレート1x2、ポチ1)、
部品番号は、4155708、デザイン番号(形状番号)は3794、製造開始は2009年でした。
2種類の情報は探すことができませんでした。
一般公開情報では、溝があっても無くても、同じレゴの部品番号のようです。

では、現物の部品ではどうか?
調べてみると、凹側に部品情報が記載されていました。
溝有り=19-24 3794
溝無し=21-13 3794
後4桁は、上述のデザイン番号ですね。
前4桁が樹脂成型金型に関する何らかの製造情報と思われます。

これは推測ですが、生産期間の途中で溝に関する変更変化が加わったと思われます。
樹脂成型の金型の変更変化、または部品を製造する工程の切断仕上げ工程の変更変化によるものと思われます。

今回はこの程度しかわかりませんでしたが、
形状の異なる同一番号の部品が混在することは、あまり好ましくありません。
品質管理が徹底していると思われるLEGO社にしてはちょっとお粗末なところかもしれません。
もしかすると、自分が購入したセットが、非常に稀な部品の混在だったのかもしれません。
この件については、後日調査をしてみたいと思います。

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4、色の劣化

 グレー色タイルプレート部品をいくつも敷き詰めていると、グレー色の微妙なバラツキに気づきました。
今回の組立は2回目なのですが、初めての組立の時には、このような変質は無かったと思います。
たぶん初めての組立の後、しばらく飾っておいたのですが、その時に紫外線を浴びて変質したかと思われます。
写真の右側2つが変色して黄色っぽくなっています。

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 レゴの材質は、ABS樹脂と言われる合成樹脂です。
着色は、ABS樹脂材料にグレー色の色素を混ぜることで行います。
ABS樹脂は比較的万能的な材料で、現在の合成樹脂材料としてはもっとも利用されているものの1つです。
万能的と言ったのは、実は弱点もあって、その1つが耐光性に弱いことです。
日光や紫外線で強度や色が劣化が進みやすいです。
飾っておいた時は、直射日光には気を付けたつもりでしたが、
間接的には日光が入ってきたので、この影響で劣化したと思われます。
飾る方は十分に留意をしてください。
それから、耐熱温度は70~100℃です。弱点とまで言うほどではありませんが、
実は、この温度に関して、非常に怖い経験をしたことがあります。
この話は、またどこかで紹介しますね。

まとめ

・構造可視化モデルを作ると楽しみが広がる。
・豪華説明書は、実物の設計図面を楽しむことができる。
・同一部品の形状違いが混在する可能性がある。
・完成品を飾る時は、日光や紫外線による色の劣化に注意

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