どちらを選ぼうか？・・・
1000円台の手頃な価格で人気なLEGO60239パトロールカーとLEGO31100スポーツカーですが、どちらか１つと言ったとき、どちらを選ぶか？
例えば自分のお子様、お孫さんに玩具を買ってプレゼントしようと思ったとき、近隣の大型スーパーや玩具店に在庫があり入手が容易なこの２つのセットでどちらを選ぶか？
検討してみます。
まず結論を言えば・・・、
完成品の美しさで選ぶなら60239パトロールカーです。
組立の面白さで選ぶなら31100スポーツカーです。
LEGO60239は完成品重視です。
組立を楽しむことができつつも、パトロールカーとしての完成の質感が素晴らしく、遊ぶこと・飾ることに非常に優れています。
難を言えば可動部が無いことです。（直進手動走行は可能）
これに対して、LEGO31100は組立重視です。
3in1で３つのモデルを組替でき、特にメインモデルのスポーツカーについては、自動車実機の各構成をブロックで組立再現することに細心の注意を払っています。
いろいろなものを組み立てて遊ぶなら、31100がお薦めです。
ではこれから詳細を検討します。
基本仕様
60239はCITYシリーズのパトロールカーのセットです。
31100はCREATORシリーズのスポーツカーのセットです。
部品点数は31100の勝ち、かな。
ではテーマ毎に勝負してみます。
写真左側が60239、右側が31100です。
LEGO60239は88コ、31100は134コです。全体を見ると31100がややボリュームが大きいですね。
気になるのは、主となる色ですが、60239は青と白、31100は赤と黒。非常に対照的です。
色の好みがある場合は注意が必要です。
説明書は、引き分け
60239は横20mm X 縦12.5mmが1冊。
31100は横13.5mm X 縦10.5mmが、3in1の全部で３冊。
大きなサイズ紙面の60239ですが、イラスト自体の大きさはほとんど変わりません。
透明部品は60239がやや優勢
60239が６種１１コ、31100が４種９個です。微妙なところですね。
角度を変える部品等は31100が圧勝。
通常は単純に１方向に組み立てだけですが、角度を変える部品があることで、横方向・斜め方向に組立が可能となり造形の幅がグーンと広がります。
60239は６コ、 31100は多数。
60239はこの価格帯のものとしては健闘していますが、31100はさすがにCREATORシリーズだけあって圧勝です。
特殊形状部品は60239が多数採用している。
60239は１２コ、31100は６コとなっています。
特殊形状部品の目的は、空間制約や強度制約等の回避で、複雑な形状を１つの部品に詰め込んでいます。
綺麗な完成品ができる反面、行き過ぎるとLEGO本来の組立の要素がなくなってしまいます。
どちらが優れているというものではないので、参考比較とします。
フレーム構造は引き分け
ここから、自動車の各構成部分についてで、まずフレームから。
60239は一体式で基本部品は１コだけです。
自動車実物で言うと、現在の乗車主流のモノコック構造です。
31100はハシゴ状に骨組みをするラダーフレームです。
自動車実物では不整地走行車に採用され、有名どころではジムニーやトヨタランドクルーザーです。
実物の自動車に照らし合わせると、非常に興味深い結果ですね。
このあたりはLEGOの奥深さを感じます。
運転席は計器がある60239がやや優勢か
60239はハンドルは一体特殊品です。
スピードメーター等の計器があり雰囲気がよく出ています。
31100は汎用ハンドル部品で、計器はありません。
どちらのセットもハンドル操作による前輪操舵はできません、ちょっと残念ですね。
エンジンは31100が圧勝です。
60239は淡黄色ブロック１コ（写真はメーター設置済み）です。
完成すると見えないので、あえて再現の必要も無い、と割り切ったのですね。
31100はブロック７コ程度使ってキッチリ仕上げてきました。
完成するとエンジンが見える設定なので、力が入っています。
60239はＦＦ車（フロントエンジン、フロント駆動）、31100はＲＲ車（リアエンジン、リア駆動）かな？
実際に動かすには手動駆動ですが。
フロントは、ほんの少しだけ60239が優勢か？
60239が前灯２コ、青パトライト２コ、グリル、ナンバープレート。
31100が前灯４コ、グリル。
どちらも自動車に必要なものは概ね設定されており、ナンバープレートがあるぶん60239優勢です。
テールは、ほんの少しだけ31100が優勢か？
60239は ストップランプ、排気、ナンバープレート
31100は ストップランプ、ウインカー、排気、ナンバープレート枠
フロント同様、どちらも自動車に必要なものは概ね設定されており、ウインカーあるぶん31100優勢です。
前傾については60239が対応してあり勝ち
60239は前傾のための工夫がされています。見栄えが美しいですね。
31100は対応がありませんが、無くてもまあいいか、程度でしょう。
外装は60239が勝ちか。
60239は、ほぼ全てのボッチョ（凸形状）をタイル部品で平滑面処理してあります。
非常に美しい外観となります。
完成品を飾っていても、ブロック玩具と気づきにくいです。
31100はいちぶ平滑面処理や機能部品処理（冷却取り込み口等）をしてあります。
こちらは遠目でもブロック玩具とわかります。
これも好みによるところが大きいですが、外観の美しさという点では、60239に軍配が上がりそうです。
最後にミニフィグ、60239の勝ち
60239には警官のミニフィグ１体が設定されます。
31100はありません。
CITYシリーズには必須、CREATORシリーズでは不要ということでしょう。
31100は負けたと言うよりも、ミニフィグは不要で、そのコストは他のところへもっていく、という認識ですね。
せっかくなので、警官のミニフィグさんに、荷物を持って（腕の先端Ｕ字部に車軸部品を挟んで）、自立してもらいました。
バランスをとるのがやや難しいです。
ちょっとしたゲーム感覚で楽しむことができました。
お孫さんと遊んでみてはいかがですか。
まとめ
60239は、組立を楽しみつつも、完成品の美しい姿、遊ぶことを想定したセットです。
LEGO社が推奨年齢を５歳以上にしているとおり、年少の方を意識しています。
またCITYシリーズで街再現パノラマを趣味にしている大人の方にも適しています。
自室、自動車販売店や喫茶店など単品で飾るのも、非常に良いかと思います。
また特殊部品もいくつか入っているので組替の幅もキチンと保っています。
組替事例がネット上で紹介されています。
トレックタイプの警察車両、ジェット機なんかもできますよ。
お子様、お孫さんと一緒に組替を楽しんでみてはいかがでしょうか。
一方、31100は組立重視の方向けです。
今回はあまり触れませんでしたが、３in１の３種組替ができるところが最大の特長です。
今回取り上げたメインモデルのスポーツカーは、フレーム、エンジン、など、パーツを組み立てて造形する楽しみをしっかり提供しています。
お求めやすい価格ではありますが、手抜きなくしっかり作り込んであります。
LEGO社の推奨年齢は６歳以上になっていますが、このセットの良さを感じるのは、小学生以上の方かと思います。
このセットについて欲を言えば、ハンドルで前輪操舵が可能なギア部品があれば、格段に素晴らしいセットになったかと思います。
価格設定上しかたないところでしょうか。
当サイト内の個別のレビューは、こちらです。
60239と31100について、個別のレビューが当サイト内にあります。
下記のとおりです。
